2026/8/22

私がLGBTQ支援に取り組む理由|女子サッカー指導者としての31年と結婚相談所KMAの原点

私がLGBTQ支援に取り組む理由
 
──女子サッカーと結婚相談所、二つの人生が交差した瞬間──
 
浦和レイナス時代、コーチとして選手を指導していた頃の私自身の姿。スタンドが写るサッカーグラウンドで、ボールを足元に置き、現場の臨場感と当時の雰囲気が伝わる写真。
 

サラリーマンから結婚相談所へ──人生の転機

 
私は食品会社の物流部門で18年間サラリーマンとして働いていました。  
その後、母が経営する結婚相談所「KMA」を支えるために退職し、役員として事業に携わるようになりました。
 
サラリーマン時代とは違い、時間的な余裕が生まれました。  
この「余白」が、私の人生を大きく動かす出来事につながります。
 

浦和レイナスとの出会い──人生が動き始めた瞬間

 
 
ちょうどその頃、旧友から一本の電話がありました。  
彼は女子サッカーチーム「浦和レイナス」を立ち上げた事務局長で、こう言いました。
 
「清水、日本リーグ(Lリーグ)入りを目指すチームのコーチを手伝ってくれないか?」
 
私はサッカーが好きでしたし、時間にも余裕があったため、迷わず引き受けました。  
これが、  
女子サッカーとジェンダー多様性の世界へ深く関わる最初の一歩  
となりました。
 

女子サッカー黎明期──多様性と向き合う現場

 
当時の女子サッカー界は、今ほど環境が整っていませんでした。  
競技としての苦労だけでなく、  
「性のあり方」に悩みながらプレーする選手も少なくありませんでした。
 
私が水間百合子さんと出会ったのは、今から 31年前のことです。  
女子サッカーがまだ社会的に十分理解されていなかった時代、  
彼女はその中心でプレーしていました。
 
その中に、後に性同一性障害を公表することになる  
元日本代表・水間百合子さん
がいました。
 

水間百合子さんのプロフィール

 
  •  1970年 山形県生まれ
  • 3歳よりさいたま市へ移住
  • 中学より「浦和本太レディス」入部
  • 1989年 女子サッカー日本代表に選出
  • 1990年 北京アジア大会で銀メダル獲得の決勝ゴール
  • 著書『女に生まれて男で生きて』で性同一性障害を告白
  • 浦和レイナスで中心選手・コーチとして活躍
 

選手兼コーチとしてチームを支えた水間さん

 
水間さんは浦和レイナスの中心選手として活躍し、  
同時に選手兼コーチとして若い選手を導く存在でした。
私は指導者として彼女と同じ現場に立ち、  
その姿を間近で見てきました。
  • 自分の身体への違和感
  • 周囲に理解されない孤独
  • それでもサッカーを続けたいという強い意志
  • チームを支える責任感
  • 若い選手を育てるコーチとしての役割
女子サッカーの現場は、  
ジェンダーの悩みが“日常”として存在する場所  
だったのです。
 

水間さんとの時間が、私の価値観を変えた

 
後に水間さんは性同一性障害を公表します。  
私は、彼女の長年の葛藤を知っていたからこそ、  
その告白を「勇気」ではなく  
“生きづらさと向き合い続けた結果”として受け止めました。
 
この経験が、私の心に深く刻まれました。
 
「性のあり方で苦しむ人を、誰もが安心して相談できる場所を作りたい」
 
この思いが、  
後のKMAのLGBTQ支援の原点となりました。
 

教え子たちが示してくれた“多様な生き方”

 
芝生のサッカーグラウンドに置かれたボールとスパイクの写真。教え子たちとの思い出や、サッカー指導の象徴として第2部の内容を表すイメージ。
 
女子サッカーの現場で出会った教え子たちは、それぞれが自分らしい生き方を選び取ってきました。
彼らの歩みは、私に“多様性”の意味を深く教えてくれました。  
 

元なでしこジャパン・山崎円美さんの「性別変更」と「結婚」

 
山崎円美さん。  
彼女はユース年代で私が指導した選手の一人です。
 
ポジションは 主にフォワード。  
スピードがあり、勝負強く、将来が楽しみな選手でした。
 
その彼女が2026年、  
戸籍上の性別を男性へ変更し、結婚したことを公表しました。
 
ニュースを見た瞬間、胸が熱くなるような感覚を覚えました。
 
「円美は、自分の人生を自分の足で選び取ったんだな」
 
ユース年代の頃から、彼女は繊細で、  
自分の内面と向き合う時間が長い選手でした。
 
その彼女が、  
自分の性を、人生を、家族を、  
“自分の言葉で選び取った”ことに深い感動を覚えました。
 
そして同時に、  
「性別移行と結婚」というテーマは、婚活の世界でも避けて通れない課題だ
と強く感じました。
 

ミュータントウェーブの山本朝陽さん──教え子がFtMとして生きる現在

 
もう一人、私の心を強く揺さぶった教え子がいます。
 
FtM(女性から男性へ性別移行した人)3人組ユニット  
「ミュータントウェーブ」のメンバー、山本朝陽さんです。
 
朝陽(山本朝陽さん)は、私がジュニアユース年代でGKコーチをしていた頃の選手です。  
当時から真面目で、責任感が強く、仲間思いの優しい選手でした。
 
その朝陽が、自分の性を男性として生きることを選び、  
仲間と共に「ミュータントウェーブ」として活動している。
 
私はその姿を見て、  
「あの頃の教え子が、こんなにも力強く、自分の人生を歩いているんだ」
と胸が熱くなりました。
 

2022年、日本LGBTサポート協会の定例勉強会(Zoom)で再会

 
2022年8月8日。  
日本LGBTサポート協会が開催した定例勉強会のゲスト講師として、  
「ミュータントウェーブ」の3人が登壇しました。
 
彼らは元なでしこリーグの女子サッカー選手で、  
現在はトランスジェンダー(FtM)の男性として生きるユニットです。
 
  • 1人1人違った個性
  • みんな違ってみんないい
  • 当たり前の多様性に気づくきっかけになりたい  
という想いを掲げ、  
YouTube、Voicy、学校・企業での講演などを通じて、  
ジェンダーや多様性に関する気づきを届けています。
 
Zoom開催だったため、  
全国の当事者・支援者が参加でき、  
多様な声がリアルタイムで交差する貴重な場となりました。
 
私は画面越しに彼らの話を聞きながら、  
「スポーツの現場で見てきた多様性が、今は社会に広がっている」
と強く感じました。
 
そして、  
自分が指導していた朝陽が、今は“伝える側”として活躍している
その事実に胸が熱くなりました。
 

水間百合子さんとの出会いから31年──積み重ねが導いた必然

 
私が水間百合子さんと出会ったのは、今から 31年前のことです。  
女子サッカー黎明期、まだ多様性という言葉が一般的ではなかった時代。
  • 性同一性障害を抱えながらプレーする苦しさ
  • 周囲に理解されない孤独
  • それでもサッカーを続けたいという強い意志  
私はその姿を間近で見てきました。
 
そして年月が経ち、  
山崎円美さんの性別変更と結婚、  
山本朝陽さんのFtMとしての活動、  
ミュータントウェーブの社会的発信。
 
31年間、私はずっと“性の多様性”と向き合う人たちと共に生きてきた。
 
だからこそ、  
結婚相談所としてLGBTQ支援に取り組むことは、  
私にとって“突然の選択”ではなく、  
人生の流れの中で生まれた必然なのです。
 
清水泰治のサッカーコーチとしての歩みは、
で詳しく紹介されています。
 

結婚相談所としてできること──協会との連携へ

 
協会スタッフと仲人、相談者の3名が丸テーブルで対話する様子。1名が説明し、2名が傾聴する構図で、協会との連携による丁寧な相談支援を象徴する写真。
 
女子サッカーの現場で多様性と向き合い、  
結婚相談所として人の人生に寄り添う。
 
この二つの経験が重なったとき、  
私ははっきりと気づきました。
 
“性のあり方で悩む人が、安心して相談できる場所を作りたい”
 
この思いを形にするために、  
私は日本LGBTサポート協会の活動と連携するようになりました。
 

日本LGBTサポート協会との関わり

 
私がLGBTQ支援に向き合うようになった背景には、  
女子サッカーで多様性と向き合ってきた経験だけでなく、  
日本LGBTサポート協会との継続的な学びがあります。
 
定例勉強会(Zoom)には、  
KMAカウンセラーの 清水小百里が毎回参加し、  
当事者の声や最新の知見を“現場の温度感そのまま”に受け取っています。
 
私は、  
毎回公開される議事録にログインして内容を確認し、  
カウンセラーが現場で感じ取った声と合わせて把握しています。
 
この二人体制によって、  
協会の学びをKMAの婚活支援に確実に反映できるようになりました。
 
この積み重ねが、  
私自身が「性のあり方で悩む人を支えたい」と強く思うようになった理由の一つです。
 

私がLGBTQ支援に取り組む理由──それは“必然”だった

 
  • サラリーマンを辞めてKMAに入り
  • 時間ができたことで浦和レイナスのコーチを頼まれ
  • 水間百合子さんの葛藤を **31年前から** 間近で見てきて
  • 山崎円美さんの性別変更と結婚を知り
  • 山本朝陽さんがFtMとして生きる姿に触れ
  • 協会の活動を通じて当事者の声を継続的に受け取ってきた(二人体制)
これらすべてが一本の線でつながり、  
私は自然と「LGBTQ支援」という道へ進んでいきました。
 
これは偶然ではなく、  
私の人生の流れの中で生まれた“必然”です。
 

当事者の声こそ、支援の核心だと気づいた瞬間

 
協会で多様な当事者の声に触れるたびに、 私は「支援とは、まず相手の人生を深く理解することだ」と 強く感じるようになりました。
その気づきは、 女子サッカーの現場で出会った教え子たちの姿とも重なります。
“生き方は一人ひとり違う”。
その当たり前の事実を、 もっと多くの読者にも届けたい──。
そう思ったことが、 ゲストシリーズを始める決意につながりました。
 

当事者の声を、読者にも届けたいと思った理由

 
日本LGBTサポート協会の定例勉強会には、  
LGBTQ当事者、専門家、著者、映画監督、弁護士など、  
本当に多様なゲストが参加してくれます。
 
彼らが語る内容は、  
「性のあり方」「家族」「結婚」「制度」「社会の壁」など、  
婚活に直結するテーマばかりです。
 
その言葉に触れるたび、私は思いました。
 
「この貴重な声を、KMAの読者にも届けたい」
 
これが、  
ゲストシリーズを始めようと決めた理由です。
 
次回予告:シリーズ第1回(ゲスト①)
元警察官×元消防隊──ゲイカップル「カネ&コッフェ」が語る“当事者視点の婚活”
 

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