2025/11/29

トランスジェンダーとは? “30代カップルの成婚”にも見る正しい理解と基礎知識

「自分はトランスジェンダーなのかも?」
「婚活してみたいけど、自分のことを誰にどう伝えたらいいの…?」
 
そんな戸惑いを抱えている方は、本当に多いです。
しかし、心配しなくて大丈夫です。
「あなたらしさ」は、決して婚活の妨げにはなりません。むしろ、本来の自分に向き合う力は、幸せなパートナーシップを築くうえで大きな強みになります。

今日は、トランスジェンダーの基礎知識から、社会の変化、そして当相談所KMAで実際に成婚した30代のFtMさんとシスジェンダー女性のエピソードまで、しっかりまとめてお伝えします。
 
性別に悩む人
 

1. なぜ今、トランスジェンダーの理解が大切なのか

 
社会全体が“多様性”を大切にする方向へ進む中で、性のあり方も「男」「女」の2つだけでは語れないことがようやく広く認識されるようになりました。
 
そして婚活の世界でも、LGBTQ+の方々が「自分らしく幸せな結婚をしたい」と前向きに動き出す時代になっています。
当相談所でも、カップルの成婚例が着実に増えています。

その中には、FtM(出生時女性/心の性は男性)の30代男性と、女性のシスジェンダー(心と身体の性が一致している)さんのケースもあります。
 
「多様性」と聞くと難しい言葉に感じるかもしれませんが、要するに“誰もが自分らしく生きていい”という、シンプルで当たり前のことなのです。
 
性の多様性についての基本的な理解を深めたい方は、ぜひ「LGBTQとジェンダーの違いとは?やさしく解説する性の多様性入門」もご覧ください。
 

2. トランスジェンダーとは

 
まず押さえておきたいのは、「性には複数の側面がある」ということ。
その中でも「心の性=ジェンダーアイデンティティ」が重要な軸となります。
 
ジェンダーアイデンティティや性的指向の基本用語については、「SOGIって何? セクシュアルオリエンテーションとジェンダーアイデンティティをわかりやすく解説!」で詳しく紹介しています。
 
トランスジェンダーとは、身体の性別と心の性別が一致していない人のこと。
  • 生まれたとき身体の性で女性に振り分けられたけれど、心の性は男性 → FtM
  • 生まれたとき身体の性で男性に振り分けられたけれど、心の性は女性 → MtF
この組み合わせは人によって本当に様々で、「こうでなければいけない」という決まりはありません。
大切なのは「その人が自分の心をどう感じているか」だけです。
 

3. ジェンダーアイデンティティは実はとても多様

 
ジェンダーは、男性・女性の二択ではありません。
  • ノンバイナリー(男女のどちらにも固定されない、性別という概念がない人)
  • Xジェンダー(自分の性が決められない、または決めようとは思わない人)
  • 日によって性別が揺らぐと感じる人
…など、本当に色々なあり方があります。
 
アセクシャルやアロマンティックなど、恋愛感情や性的欲求に関する多様性については「アセクシャルとは?定義・意味・アロマンティックとの違いを解説」も参考になります。
 
そして、誰かに「何者か」を説明するために無理に枠に当てはめる必要もありません。
婚活でも同じです。「自分の言葉で、自分の感じ方を伝えればいい」それが一番誠実なんです。
 

4. 性適合手術について知っておきたいこと

 
よく質問をいただくのが「婚活するなら手術は必要ですか?」というもの。
 
結論から言うと、手術をする・しないは完全にあなたの自由です。婚活の参加条件でもありません。
 
医療的な選択に限らず、自分らしく生きるための婚活の工夫については「愛感情がないけど結婚したい…アロマンティックな人の婚活方法と相談所活用術」でも触れています。
 
医療的措置は「自分らしく生きるための選択肢」であって、誰かに強制されるものではありません。
また、婚活においても“どこまで話すか”はその人のペースがあります。
 
伝えるタイミングも仲人と一緒に考えながら、無理のない形で進めていけば大丈夫です。
 

5. トランスジェンダーの中にも幅広い多様性がある

 
同じ“トランスジェンダー”という言葉でも、その中には無数の個性と背景があります。
  • 恋愛対象がどの性別なのか
  • 社会の中でどんな振る舞いが自然か
  • どこまで身体の変化を望むのか
  • 家族との関係
一つとして同じ人生はありません。
婚活でも、丁寧に“その人らしさ”を理解していくことが大切です。
 

6. 社会的理解は確実に進んでいる。だけど…

 
企業や自治体では、LGBTQ+への取り組みが当たり前になりつつあります。
ただ、一方で偏見や誤解が残っているのも事実。特に家族の理解は、いつもすぐに得られるとは限りません。
 
KMAが取り組むアライ活動やハラスメント対策については、「LGBTQ+結婚相談所KMAの挑戦 | アライとしての活動とハラスメント対策」をご覧ください。
 
埼玉県アライチャレンジ企業
 
婚活ではなおさら、「安心して話せる環境」が不可欠です。
私たち仲人の役割は、あなたの背景がきちんと尊重されるよう調整し、相手と共に歩めるようフォローすることだと思っています。
 

7. LGBTQ+を支える存在「ALLY(アライ)」とは

 
ALLYとは、簡単に言えば“味方・理解者”のこと。
これは当事者だけではなく、周囲の人たちとの関係でもとても大切な役割です。
婚活では、
  • 相談所の理解
  • 仲人のサポート
  • 相手本人の理解
  • 相手家族の理解
この4つが揃ったとき、安心して前に進むことができます。
 
あなたが一人で頑張る必要はありません。
仲人の私たちが“あなたのアライ(味方)”としてサポートします。
 
アライ(Ally)ステッカー
 
LGBTQ+婚活におけるアライの役割や成功のヒントは、「【保存版】LGBTQ+の婚活って実際どうなの?リアルな現状と成功のヒント」でも詳しく解説しています。
 

8. トランスジェンダーの婚活でよくある悩み

 
性別を回答しない人
 
相談に来る方がよく抱えている悩みは、こんなものがあります。
  • 相手に伝えるタイミングがわからない
  • 理解してもらえなかったらどうしよう
  • 家庭を持つことへの不安
  • 仕事・家族・身体のこと…色々あるけど受け止めてもらえる?
不安になるのは当然です。
でも、あなたの全部を理解したうえで寄り添ってくれる人は必ずいます。
無理に一気に話す必要なんてありません。
 
自分のセクシュアリティに悩んだときのヒントは、「自分のセクシュアリティがわからない?レズビアンとしての自分を見つけるガイド」にもあります。
 

9. 実例:30代FtM×シスジェンダー女性の成婚カップル

 
ここで、KMAの実際の成婚エピソードをご紹介します。
 
30代FtMの男性と、シスジェンダー女性のカップル。
(シスジェンダー:身体の性と、心の性が同じ人)
最初からお互いを丁寧に理解しようとする姿勢があり、とても穏やかに関係が深まっていきました。
 
お相手女性は彼の生き方に深く共感し、
「過去のことより、今のあなたが好き」
と自然に受け止められる素敵な方でした。
 
ただ、ひとつだけ時間がかかったのは“女性側のご両親の理解”でした。
 
最初は戸惑いもありましたが、
  • 彼自身の誠実さ
  • 二人の関係の安定感
  • 未来を真剣に考えている姿
を何度も丁寧に伝えたことで、徐々に心を開いてくれました。
 
そして先日、
「無事に入籍しました!」
と嬉しいご報告をいただきました。
 
本当にね、泣けるくらい嬉しかった…。
二人で乗り越えた時間も含め、どれも大切な宝物になったと思います。
 

10. あなたらしく婚活を進めるために、今日からできること

 
ここからは、実用的なアドバイスを。
 
① 自分の気持ちを整理する
無理に全部説明しなくてOK。伝える順番も仲人と一緒に整理できます。
 
② 理解ある相談所を選ぶ
これは本当に大事!
雰囲気が合うかどうか、必ず無料相談で確認してください。
 
LGBTQ+に特化した結婚相談所の特徴や選び方は、「信頼できるLGBTQ+結婚相談所の選び方完全ガイド」や「LGBTQ+に特化した結婚相談所とは?」で詳しく紹介しています。
 
③ 焦らず進める
“結婚=急ぐ”ではありません。あなたのペースを大切に。
 
④ 一人で抱え込まない
味方がいれば、どんな不安も乗り越えられます。
 

11. 『おせっかいオバチャン』からのメッセージ

 
最後に、一番大事なことを。
 
あなたは、あなたのままでいいんです。
性のあり方も、恋愛観も、生き方も、全部あなたの個性。
それを丸ごと受け止めてくれる人は、必ずいます。
 
婚活は、「完璧になる場所」じゃないんですよ。
ありのままで、そのままのあなたが良いと思ってくれる人と出会う場所。
 
さぁ、一歩踏み出しましょう。
あなたの未来は、まだまだこれから。
「おせっかいオバチャンも、全力で味方しますよ。
 

このブログを書いた人

 
埼玉県さいたま市のLGBTQ+結婚相談所KMA・株式会社KMA
認定婚活カウンセラー 清水小百里
 

メッセージ

 
LGBTQ+について「知ること」は、自分自身や大切な人との関係を見つめ直すきっかけになります。  

そして、自分らしい生き方を大切にしたいと願う方にとって、パートナーとの出会いは人生を豊かにする大切な一歩です。
 
株式会社KMAでは、LGBTQ+の方々が安心して婚活できる環境を整え、全国規模で「生涯のパートナー探し」をサポートしています。  

さいたま市のパートナーシップ宣誓制度のような地域の取り組みとも連携しながら、誰もが自分らしく生きられる社会づくりに貢献しています。
 
「誰にも言えなかった気持ちに、そっと寄り添う」  

そんな想いで、婚活カウンセラーとして18年以上活動を続けています。
 
LGBTQ+の方の婚活に関するご相談は、LINEやホームページからお気軽にどうぞ。  
無料カウンセリングも実施中です。
 
カウンセラー清水小百里
 
 

保有資格(一部抜粋)

 
  • 心理カウンセリング1級/コーチング1級(内閣総理大臣認証NPO)
  • ダイバーシティ研修認定講師(日本LGBTサポート協会)
  • JLCA認定婚活カウンセラー/マル適マークCMS取得
 

所属連盟・協会

  • 株式会社IBJ
  • 株式会社BIU
  • 日本仲人連盟(NNR)
  • 一般社団法人 日本仲人婚活支援協会
  • 一般社団法人 結婚相談業サポート協会(MCSA)
  • 特定非営利活動法人 日本ライフデザインカウンセラー協会(JLCA)
  • SAITAMA出会いサポートセンター運営協議会
  • 一般社団法人日本LGBTサポート協会
 

著書紹介

 
『結婚したければ選ばれる男になりなさい』
 
清水小百里 著(Amazonで発売中)
 
 
LGBTQ+の方の婚活に関する体験談や、カウンセラーとしての想いは、結婚相談所KMA公式ブログでも発信しています。  
 
あなたの「自分らしく生きたい」という気持ちに、私たちは全力で寄り添います。まずは、話してみませんか?