2024/10/28
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LGBTカップルの子育て:ハヤトさん&タカさん夫夫(ふうふ)の体験談 |
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日本LGBTサポート協会の定例勉強会では、毎月ゲスト講師を招き、実体験を通じて仲人の知識を広げています。 今回の勉強会では、0歳児の子育て中の看護師夫夫(ふうふ)ハヤトさん&タカさんがゲストとして登場。 お二人の出会いや結婚、カミングアウトの経験、そして子育てに至るまでの道のりを語っていただきました。 特に、レズビアンカップルとの協力による子育ての挑戦や、複雑な戸籍手続きについての話は、多くの参加者にとって貴重な学びとなりました。 LGBTカップルが直面する課題や、それを乗り越えるための工夫について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事をご覧ください。 埼玉県さいたま市浦和のLGBTQ+結婚相談所KMAのカウンセラー清水小百里です。 Ally(アライ)※を一人でも多く増やし、正しい認識を持つ人を社会に広める活動をする、ダイバーシティ研修認定講師を務めています。※セクシュアル・マイノリティ(LGBTQ+)の方々の味方、支援する人 今年もあと2ヶ月になってしまいましたね。年末の大掃除は寒くてやる気が出ないので、11月中にできる事(特に外回り)はやっておいた方がいいですね。って、毎年言っているけど…。 結局気づいたら年末になっていて、寒い中ベランダ掃除と窓拭きをしています。今年こそは! 結婚相談所KMAのLGBTQ+専用のホームページを作ったのは最近なので、お伝えしていないことがたくさんあります。 半年くらい前から遡って、活動報告などができたらと思います。今回は、その第ニ弾です。
結婚相談所KMAが協会員として加盟している日本LGBTサポート協会では、毎月定例勉強会を開催しています。 毎回、ゲスト講師をお呼びして、実体験などをお話ししていただき、私たち仲人の知識を広げてくれています。
今回のゲストは、『0歳児の子育て中の看護師夫夫(ふうふ)ハヤトさん&タカさん』のたかさん(お写真右手)にお話ししていただきました。(この日、ハヤトさんはお仕事でした) NHKなどメディアにも多数出演、大学でも講演をされているご家族です。(当日お話ししていただいた以外に、YouTubeなどからも抜粋しています) お二人の出逢いは「アプリ」でした。お付き合いを始めて半年後に「同棲」をスタート。2018年4月に挙式をしました。 それから約6年、2023年6月に待望のお子様が産まれて、只今育児奮闘中です! ハヤトさんの誕生日に、タカさんがプロポーズをしてお二人は結ばれました。
二人とも、まだご両親にはカミングアウトをしていなかったそうです。 ハヤトさんのご両親にカミングアウトした時は大反対されて『産まなきゃ良かった!』とお母様が大激怒。 その後も話し合いをしていたそうですが、そんな中、タカさんがテレビ番組で公開カミングアウトをしました。 タカさんのご両親は、「前からそうだろうと思っていた」とすんなり受け入れてくれたそうです。 後日その放送を見た、ハヤトさんのご両親も「私たちも応援するわ」と受け入れてくれたそうです。 結婚式&披露宴は、80人の大きな結婚式でした。 皆さんからの祝福に胸がいっぱいになり、ご両親へのお手紙を読む時には涙が止まらなかったそうです。 LGBTの方にとって『親』は最大の壁であり、その壁を乗り越えた時、『親』は最大の理解者になってくれます。 皆さんに祝福してもらえた嬉しい気持ち、ご両親への感謝の気持ち、そしてご両親が喜んでくれた姿を見てとても心強かったと思います。
二人で幸せな生活を送っていたある日、海外のゲイカップルが子育てをしている動画を見て、自分たちも子供を授かれないかと、いろいろ調べ始めました。 その時レズビアンカップルから「私たちも子供がほしいから協力しないか?」と連絡が入ったそうです。 何度も面談をして、信頼関係を築いてこのカップルなら大丈夫と確信が持てたので、きちんと司法書士を挟んで取り決めをしました。 産まれた時は、お相手女性への感謝と無事に産まれてきてくれたBabyちゃんに涙が止まらなかったそうです。
ただ戸籍の手続きには手間がかかります。この場合は異性の婚姻関係がないので、出産時は母親の戸籍に入ります。 そのため「親権を放棄します」と、お相手女性に一筆書いてもらい、「出生届」と同時にこちらが「親権届」を出すという手続きが必要だったそうです。 その後、母親の戸籍からBabyちゃんを抜いて、こちらの戸籍に入れる手続きに1〜2カ月時間が掛かったそうです。 家族全体の構成を見ると、まず、タカさんの戸籍にハヤトさんが養子縁組で入籍しました。 戸籍上は、タカさんの息子が、ハヤトさんになります。Babyちゃんは、ハヤトさんの子供として入籍しました。したがって戸籍上、タカさんは、Babyちゃんのおじいちゃんです。 同性婚が認められていない日本では、こんなに複雑な家族構成になり、時間が掛かる手続きが必要なのです…。
それでも、ハヤトさんは『20代前半でゲイだと気付いた時には、結婚もできずに人生終わるんだなぁと思っていたから、まさか結婚して子供を授かれるなんて考えもしなかった』と大変よりも嬉しい方が優っているとの事。 「さすがに、子供は反対です」と言っていたご両親達も今はメロメロになっているそうです。 本当に可愛らしいBabyちゃんで、「なーちゃん」と言います。お目目が大きくて本当にカワイイ!!! Babyちゃんモデルにもなりました。後で、お二人のインスタを見てください。 ◆◆ 看護師ゲイファミリー ハヤト&タカ ◆◆ カワイイ「なーちゃん」と、幸せいっぱいのお二人が見られますよ!
子育て奮闘中ですが、タカさんは、実の親子関係ではないので『育休』が取れなかったそうです。 そのため、退職して「専業主夫」で家事育児に専念しました。 やはり3時間おきのミルクが一番大変だったそうです。(子育て経験者なら、苦労は分かります) このように、まだ行政の保証などで不安も多いため、2022年に地元自治体の「パートナーシップ」を取得して、さらに「遺言公正証書」を作成して、万が一の時に備えているとの事でした。 今は、保育園に預けて短時間のパートを始めたそうです。 ハヤトさんも積極的に家事育児をしているので、今のところは問題はないのですが、これから小学校に上がった時に、『パパ二人』がお友達からどう理解してもらえるかが不安だと言います。 ただ、保育園の先生方やママ友は、普通に接してくれるので、法的には理解されていないけど、マインド的には理解してくれる人が増えたと感じているそうです。 『確かに、アンチも多いですが、自分たちから発信して一人でも多く理解してくれるように頑張っていきたい』との事でした。
同性愛者の多くは「『結婚』なんて自分の人生には無いものだと思っていた。」と言います。 確かに、今の日本の法律では同性婚は認められていないので、そう思っても仕方のない事です。 今回お話ししてくださった、タカさん&ハヤトさんは『誰にでも愛する人と幸せになれる権利はある』という信念で、試行錯誤しながら、難しいことも乗り越えて幸せを掴みました。 「これからも大変な事もあると思いますが、周りの人から助けてもらいながら自分たちらしく生きていきたい」と前を向いています。 愛する人と家族になりたいけど、「どうすればいいかわからない」「本当に家族を作れるのか?」と悩んでいる方も多いと思います。 この悩みは、同性愛の方々だけではなく、全てのジェンダーの悩みです。決して一人で考え込まず、まずは相談できる場所や相談できる人を探してみましょう。 行政や支援団体、私たちのようなLGBTQ+の方々のパートナー探しのお手伝いをする結婚相談所もあります。 タカさんの言うように、理解者も増えてきているので、立ち止まっていないで、一歩踏み出してみましょう。 そのあなたの一歩が、さらに理解者を増やすことになるのです!
埼玉県さいたま市のLGBTQ+結婚相談所KMA・株式会社KMA 認定婚活カウンセラー 清水小百里
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